原始感覚美術祭2012
Memory of a silent sea―静かな湖(うみ)の記憶
会期 2012年8月4日(土)- 9月9日(日)
公開制作期間 2012年7月28日(土)- 8月3日(金)
会場 西丸震哉記念館 虹の家 古民家山本邸 他木崎湖畔
   麻倉 塩の道博物館 わちがい大町市街
主催 原始感覚美術祭実行委員会
共催 西丸震哉記念館 塩の道博物館 やまなみ工房
アートディレクター 杉原信幸 
コーディネーター 本郷毅史 池田武司
長野県 地域発 元気づくり支援金事業
助成 
参加費 マップ付きパスポート 500円
    中学生以下無料 一カ所200円・塩の道博物館のみ500円)
参加作家はこちら
原始感覚美術祭2012について
パプア・ニューギニアの秘境探検を行った食生態学者の西丸震哉のキーワードである原始感覚を
テーマにあらゆるジャンルを超えた表現者を集い、滞在制作を行うことで、木崎湖畔の美しい景観
を生かしながら、古民家や寺社、湖面などにインスタレーションを行う美術祭です。滞在制作を行
う中で、湖畔に暮らす人々と出会い、湖畔で生活していく中から生まれてくる地形との深い親和感
覚が、巡礼地のような空間の創造を行います。
縄文時代に息づいていた自然と生活、芸術、信仰、農業、科学などを区別することなく、一つの命
の繋がりの中に感じ、生きていた人々の在り方には、現代人が忘れ去った大切な何かがあるように
感じられます。それは私たちの立っている大地=自然を他者(別の物)として考えるのではなく、母
なるものとしてとらえ、それを畏怖し、愛し、わが身の一つとして感じ取ることで、その恐ろしく、美しく、
かけがえのないものと、バランスをとってきたように感じます。現代人の奥底に眠り、切り離されてし
まったかに見える縄文という精神の緒を再び甦らし自らのアイデンティティとする事で、現在の苦境
に立たされた日本という国の再生の原動力とすることができるのではないでしょうか。
(うみ)に還る夏
今年で第三回を迎える原始感覚美術祭の会場となる信州・安曇野の美しい水の地仁科三湖・
木崎湖はアルプスに抱かれた胎児のような形の湖です。この場所に還ってくると、どこか懐かしい、
湖と田んぼの繋がる日本の原初の風景に触れたように感じます。湖畔に暮らす人達が温かく迎え
てくれる木崎湖では、初めて訪れる人も、きっとどこか懐かしい気持ちを覚えるのではないでしょう
か。アルプスの合間に現われる胎児の湖で原始の感性を研ぎ澄ませたアーティストの作品ととも
に湖面を駈ける涼やかな一陣の風のような、ひと夏のアートの祭が始まります。
撮影:舘友希江
静かな湖(うみ)の記憶Memory of a silent sea
日本は島国であり、私たちの祖先は、海で暮らし、海を越えた記憶を持っています。海洋民族安
曇族が伝えたというお船祭は、海の記憶をその祭の中に色濃く残しています。昨年の大地震と大
津波によって、その地に暮らす人々が負った傷は深く、太古の時代にもそのような傷を負い、内陸
部へと住処を移す人々がいたのかもしれません。そのような人々が出会ったのが、湖という静かな
海だったのではないでしょうか。恐ろしく、豊かな母なる海を懐かしみ、その地に暮らし始めた人々
に想いを馳せることは、私たち一人一人の内なる海の記憶に出会うことでもあります。海ノ口という
地名の残る木崎湖畔で、静かな湖(うみ)の記憶を辿るアートの旅を体験してください。

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